太陽光パネルの発電量が落ちた気がする、というご相談を受けることがあります。ですが、この記事で扱うのは「何%改善する」という保証の話ではなく、屋根に上がらずにできる確認の範囲と、汚れをどう見極めるかについてです。売電単価の試算や高圧洗浄の手順書は書いていません。洗剤や水圧については、モジュールメーカーの取扱説明書のほうを基準にしています。当社の主な業務は下水道管路内の調査・清掃で、太陽光設備の清掃管理は二次的なメニューという位置づけです(調査・清掃事業)。
モニタの数字と、目視できる汚れ
パネルは光を受ける面が汚れると出力が落ちることがありますが、「何%」という数字は立地や角度、汚れの種類によって変わるので、ブログなどで見かける目安表はあまり信用していません。先に確認するのは、モニタの発電量の低下と、目視できる汚れ(鳥の糞、落ち葉、砂など)です。軽い土埃なら雨で落ちるように設計されている製品もあります。清掃が必要かどうかは、取扱説明書とO&M契約(運用・保守契約)を見て判断します。屋根の上での自力清掃は、私たちの現場でもお勧めしていません。墜落、感電、ガラスの損傷、保証の対象外になるリスクが重なるためです。
確認する順番
確認する際は、日付と天候、モニタで見られる当日または直近の発電量、目視できる汚れの種類(鳥の糞、落ち葉、砂、油っぽい膜、あるいは見当たらないか)、設置場所が屋根上か野立てか、メーカーの取扱説明書を開いたかどうかを、順番に見ていきます。屋根に上がるかどうかは「上がらない」のままにしています。「発電量が落ちた気がする」というだけでは判断材料が残らないので、モニタの数字か写真1枚を残すようにしています。
やってはいけないこと
- 高圧の水をガラスに直撃させる(フレームからの浸水やセルの損傷につながり、保証の対象外になりやすい)
- 研磨剤や硬いブラシ、金属たわしを使う
- 日中に熱くなったパネルへ冷たい水をかける(取扱説明書が朝夕の作業を指定していることが多い)
- 割れたガラスや露出した配線に触れる(感電のおそれ)
- はしごを一人で使って屋根作業をする
水の種類(水道水に含まれるミネラル成分など)も製品によって扱いが違うので、この記事で水を指定することはせず、取扱説明書を確認していただくようにしています。保守点検の枠組みについては、太陽光発電協会(JPEA)の公開資料を入口にするとよいと思います。FITや保守義務の細部については、契約内容と資源エネルギー庁の情報のほうが基準になります。
業者に相談するときの一言
業者に相談するときは、「モニタで○月以降低下している。目視は鳥の糞/落ち葉/見えない、のいずれか。屋根上なので自力では上がらない。メーカーは○○」というふうに伝えると、話が早く進みます。清掃と同時に、割れや変色、コネクタの状態は「気になる点」として写真に残しておき、診断の確定は電気側の資格を持つ人と発注仕様に委ねています。